熱狂のヴィレッジ・ヴァンガード、番外編 その1です。
1961年11月の四日間で収録された、ドルフィー入りコルトレーン・バンドによる熱演の模様は、1962年から1985年にかけて、5枚のアルバム(内2つのアルバムは2枚組)として発売されました。合計22テイク中19テイク、全容の9割弱が発売されたのでした。
こうなると、収録日ごとに収録順に聴いてみたいとなるのが、コルトレーン・ファンです。しかしながらそれは盤を取っ替え引っ替えする必要がありました。じっくり演奏を聴きたいところですが、なかなかそうもいかず、焦ったい思いをしたものです。
そんなコルトレーン・ファンの気持ちに応えるべく、日付別演奏順番にヴィレッジ・ヴァンガードを編集したCDが三種発売されました。今日取り上げるのは、録音初日である1961年11月1日を収録した作品です。
Chasin' The Trane
Impressions
Spiritual
Miles' Mode
Naima
Brasilia
アルバム五種をCDで聴いたとして、5回のCDセット替が必要となるのが、本作品をセットしてスタート・スイッチに触れるだけで至極の時間を過ごせるようになったのです。
まずは残念な点をあげれば、5つのアルバムに収録されていない、まだ世に出ていない、最初に演奏された「India」が収録されていないことです。
この日の演奏には全てドルフィーが参加しており、コルトレーンと熱演を行っています。他の日にはドルフィーが参加しない曲や、参加しても最後に一つ吹くだけの演奏もありますが、この日は全ての曲で熱気の演奏を行っています。荒々しくも感じる二人のぶつかり合いが、この録音初日の特徴とも言えます。
ここでの演奏は、1977年にに3曲、1979年に3曲が発売されました。1960年代の2枚に収録されなかったのは、この「荒々しさ」への評価だったのかもしれません。