2021年6月1日掲載
Daniel Zamir            Redemption Songs
Tzadik原盤                2011年6月録音

 このザミールの作品は、2011年6月と2015年3月の録音をまとめて、2015年に発売された作品のようです。収録曲は他の作品で録音済みの曲が並んでいますが、別の録音のようです。

 Shai Maestro(p), Haggai Cohen Milo(b), Mark Guiliana(d) との演奏で4曲演奏されています。

 また、Nitai Hershkowits(p), Gilad Abro(b), Amir Bresler(d) との演奏で5曲演奏されています。

 どちらがいつの録音なのかは、クレジットされていませんでした。

 9曲全てのタイトルが数字のこの作品のアルバム名の意味は、「救済の歌」であります。

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 この「今日の1枚」ではザミール節としていますが、他のイスラエル出身のジャズマンよりも遥かに濃いジューイッシュの哀愁感が、この作品に聴きやすく詰まっています。初めてダニエル・ザミールの音楽に触れてみたい方へ推薦できる作品です。

 ソプラノ・サックスだけでの作品も多く発表しているザミールですが、ここではアルト・サックスも吹いています。ザミールのアルトも素晴らしいものだけに、この作品の存在はありがたいものです。

 この作品全体にアルバム名の「救済の歌」を考え合わせると、私はそれは、自分を見つめ直すことで得られるもの、かなと感じました。当然ですが人それぞれで感じるものは違ってきますが、誰もが何かを感じるはずであり、そこにこの作品の価値があるのでしょう。

 さて二つのセッションが収録されている作品なので、CDのプログラム機能を使って、セッション別にも聴いてみました。シャイ・マエストロが参加している4曲では、リズムの切れ味が特徴と言え、そのピアノは、気づかない自分の弱みを教えてあげているかの響きがあります。一方のニタイ・ハーシュコヴィッツ参加の5曲では、リズムの重量感があるもので、そのピアノには、明るい日々が必ずくるよと語りかけているようなものです。

 またハーシュコヴィッツ参加の曲では、静と動が織りなす曲が二つ、そしてザミールとハーシュコヴィッツのデュオで静かに演奏された曲が一つあります。

 この二つのセッションを別々に聴けば、私はハーシュコヴィッツのセッションに軍配を上げます。