デジパックの表ジャケに写るベース奏者のアヴィシャイ・コーエンは、ベースとそれを支える左手が印象深いものです。デジパックを開いて左側には、ピアノは映っていないものの気持ちを込めて鍵盤に左手を添えているニタイ・ハーシュコヴィッツがいます。そして右側には、ドラムセットと対峙してリズムを生み出しているダニール・ドーが写っておます。
アヴィシャイ作の曲が10曲続き、最後にはチャップリンのスマイルが収録されています。
三人が繰り出すリズムの切れ味の鋭さに、聴き惚れてしまう作品です。そんな意味では、二曲めの「Abie」から三曲目の「Haleyah」への展開が、この作品の聴き所と言えるでしょう。41分の中に他にも素敵な演奏が詰まっている本作品ですが、「チャップリンのスマイル」でのほろ苦くもあり甘くもありの演奏は、ベースの音の太さとピアノの軽やかな音、そしてブラシの肌触りの良い音が重なり、絶妙な演奏となっています。
三つの楽器のバランスがよく録れており、音の良さだけでも感心する作品です。