2021年5月7日掲載
Charlie Rouse And Seldon Powell
We Paid Our Dues!
Epic原盤                       1961年録音

 セルダン・パウエルと言えば、多くの楽団で貴重なサックス奏者として活躍したお方で、サド = メルでの活躍が最も有名なのでしょう。

 チャーリー・ラウズと言えば、モンクのバンドで長きに渡り参加していたサックス奏者として有名なお方です。

 この両者は人気ジャズマンとは言えないのでしょうけれど、ジャズ・ファンから愛されてきたお二人です。私で言えば、モンクでのラウズ、ラウズがいた時期のモンク、大好きであります。

 ラウズが、ギルド・マホーネス(p)、レジー・ワークマン(b)、そしてアート・テイラー(d)とのカルテットで三曲演奏しています。

 セルダン・パウエルは、ロイド・メイヤーズ(p)、ベック・モリソン(b)、そしてデンジル・ベスト(d)とのカルテットで三曲演奏しています。

 本作にはこの二つのカルテットの演奏が、交互に収録されております。

20210507

 アルバム名を直訳すれば、「会費を払いました」との意味です。このアルバムでは、「俺たちはいろいろ経験してきたぜ」との意味なのでしょう。そしてその結果としてこの二人は、いろんな方々から愛される存在になってきたことは、二人の経歴からも明らかなことでしょう。

 本当に心を寄せてしまう、心に染みる演奏が続いている作品です。全ての曲が良い演奏だ!、なんてアルバムはそうそうあるものではありませんが、この作品での六曲は全て愛してしまう演奏です。

 「When Sunny Gets Blue」や「I Should Care」でのラウズの歌心に酔い、「For Lester」や「Bowl Of Soul」でセルダン・パウエルの曲作りの妙に感心して、本作を聴き終えました。