このコーナーでトランペット奏者のアヴィシャイ・コーエンの作品を取り上げるのは、これで4枚目となります。ピアノのヨナタン・アヴィシャイ、パーカッションのダニエル・フリードマンとの、トリオでの演奏です。
ジャケに写るのは、干上がった大地です。内ジャケにアヴィシャイの次のコメントがあります。
このレコーディングは、洪水が地球を洗う間の太陽と月のサイクルを描く、2つの音符(notes)から生まれた瞑想の演奏です。 自然は洪水を嘆いたり抵抗したりするのではなく、それを自分のものとして受け入れます。
本アルバムの副題に「part two of the big rain trilogy」とあります。「大雨三部作」の第一作は、「After The Big Rain」であります。
マレーシアのペナン島にガーニードライブという海岸沿いの道があり、観光名所になています。私の最初の駐在の時には、本当に良い通りでした。それが土地拡大での埋立で海が干上がってしまい、2009年からの二度目の駐在の際には淋しい思いをしていました。
アヴィシャイの嘆きと希望が交差するトランペットの響きが、ヨナタンの美しいピアノと静かに語り合っていく演奏内容です。心の安らぎを感じると共に、自然の奥深さを感じさせるものです。
ペナン島のガーニードライブ沿いの干からびは元には戻らないのですが、ジャケに写る干からびは、自然の力で素晴らしい光景になることでしょう。