このザミールの作品のジャケですが、私の中では2015年作品のジャケと重なってしまい、この2012年作品は持っているものと思い込んでおりました。
購入した本CDですが、書かれていることは全てがヘブライ語ですので、ディスクユニオンの本作紹介ページから、2012年発売当時の情報を引用します。
「Avishai Cohen(b)トリオで活躍し近年注目を集めているShai Maestroを起用。ドラマーも Avishai Cohen(b)トリオからMark Guiliana、ベースにはOmer Klein(p)グループで活躍するHaggai Cohenを迎えており、イスラエルの第一線メンバーばかり」
そんなメンバーでの演奏です。
ザミールの他の作品とは違う、リズム陣のアタックの速さが印象的な作品です。ザミールのソプラノ・サックスは今まで通りのザミール節、ジューイッシュの動きなのですが、なやら違ったザミールがここにいるようです。
3曲目の「Eleven Represents the Thrown」ではテンポ早く刺激的に、そして4曲目の「Five of Luck」ではゆったりと涙目で、青春の悲しき場面を振り返るような演奏となっています。これが実に素敵であり、また聴く者は「誰もが持っているあの日」を目に浮かべることでしょう。
ザミールのボーカルもこの作品では板についており、ラップような展開も披露しています。9曲目の「Till Tomorrow」での夕暮れの響き、ソプラノのとボーカルのザミールはなかなかのものです。
せっかく参加しているマエストロのピアノが輝く場面があればなどと贅沢なことを考えながら、「やっぱりザミール」の本作を聴き終えました。