2021年10月6日掲載
Steve Lacy             More Monk
Soul Note原盤         1989年4月録音

 スティーヴ・レイシーとの名を聞いて私が頭に浮かべるのは、モンクとマル・ウォルドロンです。多くの共演を重ねて日本でも数多くの演奏をマルと残したレイシー、そしてモンクの曲を数多く取り上げてきたレイシーが、私の中にあります。

 レイシーが数多く発表したアルバムの中で、そのタイトルに「Monk」と付くのは5作品あります。最初のは1985年録音の「Only Monk」、そして二作目が今日取り上げる1989年録音の「More Monk」です。(Wikipediaより)

 一作目と同様にモンクの曲をソプラノ・サックスだけで演奏するレイシーを、今日は聴いてみます。

20211006

 いきなり渋い曲で、このモンク集は始まります。「Shuffle Boil」はジジ・グライシスの1955年のリーダー・セッションにモンクが参加していおり、そこで初めてこの曲が取り上げられました。その後は1964年に数回に渡り、コロンビアでのモンク自身のカルテットでの演奏で、この曲を取り上げています。(jazzdisco.orgより)

 レイシーはこの曲を、冷めた気持ちで人を見つめるかのようなタッチで演奏しています。レイシーばらではの解釈が生きた演奏です。はっきりした口調で演奏する「In Walked Bud」、力強く間を生かし演奏する「Crepescule with Ne」など、曲毎に彼の解釈が施されています。

 レイシーしか表現できない世界に浸りながら、「Only Monk」と同じVictor Brauner のジャケに頭をひねりながら、本作を聴き終えました。