2021年10月5日掲載
McCoy Tyner Plays Ellington
Impulse!原盤            1964年12月録音

 コルトレーンがエリントンとセッションを行ったのは1962年9月26日のことで、当然ながらコルトレーン・バンドのピアノ奏者のマッコイ・タイナーは演奏には参加していませんでした。それから2年後の本作では、マッコイはエリントン楽団の曲を7つ取り上げています。ギャリソンのベース、ウィリアム・ロドリゲスとジョニー・パチェコとの打楽器奏者が二人参加しての演奏とクレジットされていますが、ピアノ・トリオものと考えてよろしいのでしょう。

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 ピアノ・トリオのアルバムで最初の曲が「C Jam Blues」となれば、ジャズ好きの誰もがガーランドのあの作品を思い浮かべることでしょう。あのジャケットが目の前に現れ、その演奏が頭の中に飛び込んでくることだと思います。

 マッコイの本作品も、最初の曲は「C Jam Blues」です。強弱をいかしてリズミカルな演奏にし、そしてマッコイのならではのメロディアスな演奏となっています。コルトレーン・バンドでの演奏とは違う姿があり、マッコイのピアニストとしての幅の広さを感じる物です。もう少し長めに演奏していれば、さらにマッコイの世界が楽しめのにと感じました。

 この「C Jam Blues」ですが、このマッコイのアルバムでは「Duke's Place」とクレジットされています。歌詞がつけられ「Duke's Place」との曲名になるので、マッコイ側の意図は歌っているような演奏との意味づけなのかもしれません。

 他の6曲も含めて、誰もが知っているエリントン楽団の有名曲を、マッコイが歌うようにピアノを演奏している作品です。