2018年11月9日掲載
Steve Lacy              Only Monk
Black Saint原盤        1985年7月録音

 レイシーお得意のモンク集、お得意のソロ作品です。

 キュビズムの影響を強く受けたジャケットについては、「Thelonious Monk Chvalier du Hot by Victor Braumer-1950」とクレジットされてます。作者について調べたところ、スペルが一つだけ違うのですが、ルーマニアの彫刻家であり画家の方がいます。「Sevrage du Moi (1949) 」と題された作品は本作ジャケと画風が似ているので、ジャケの作者はVictor Braunerなのでしょう。

 この画風のどの辺がモンクなのかは私の理解力不足なのですが、気になったのは1950年の作品であること。確かにモンクは1940年代から刺激的な活動をしておりましたが、その活動がルーマニアまで伝わってたことになります。NY生まれのレイシーは、1940年代は10代でした。ルーマニアでも知られていた存在のモンクに、レイシーが惹かれていったのは当然のことなのでしょう。

20181109

 このダラダラとしたソプラノ・サックスの演奏は、聴く人を強く選ぶものです。そしてこのダラダラに向かい合えた人は、それがレイシーの個性と感じて、彼の世界に入っていけます。数多あるモンク集の中でも、レイシーのものは奏者の個性がハッキリと感じられるものです。その中での「Pannonica」に聴き入った私は、不思議な時間を過ごせました。