コルトレーンが御大アモンズに加わり、アルト・サックスを吹いたセッションです。その辺の経緯については、「今日のコルトレーン」をご参照願います。
A面は管楽器五人全員参加で二曲、B面はアモンズとジェローム・リチャードソンのフルートで一曲、そしてアモンズとコルトレーンでの一曲、計四曲が収録されています。
管楽器5本で賑やかに楽しくのA面も楽しいものですが、本作はやはりB面でしょう。コルトレーン抜きですが、リチャードソンのフルートとアモンズのテナーの共演が、朗らかさとスリリングを併せ持つ勢いのある演奏を繰り広げています。
そして続くのが、アモンズのテナーとコルトレーンのアルトによる「It Might As Well Be Spring」です。前曲のアップテンポからスローに移った中で、アモンズのテナーから、優しく慕われる人間性が滲み出た、心温まる気分を感じさせる演奏が披露されます。このアモンズから多くのことを学び取ったであろうコルトレーンのアルトには、人の気持ちを動かす演奏が宿ったようです。
アモンズについて多くを語れない私ですが、本作のB面のアモンズの演奏を愛し続けていくことでしょう。