2020年12月10日掲載
Oded Tzur               Here Be Dragons
ECM原盤                  2019年6月録音

 テルアビブ出身のテナー・サックス奏者 オデッド・ツールは、テルアビブでの音楽活動の後に、2007年からはロッテルダム音楽院で学びました。その後にインド音楽にも関わり、2011年からはNYのジャズ・シーンで活動しています。(以上はWikipediaドイツ語版から引用)

 数枚のリーダー作を発表している彼ですが、今日取り上げる作品が最新作となります。Nitai Hershkovits(p), Petros Klampanis(b), そして Johnathan Blake(d) との演奏です。

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 幽玄な海の神秘の世界を描いたかの演奏、サックスがピアノとベースに語りかけるように演奏が続きます。地図製作者が未開の地域や危険な地域に、「Here Be Dragons」と入れるとのことです。これがアルバム名になっており、そして1曲目に収録されています。ゆったりと落ち着いた演奏が、いつ危険な状態に、と思いながら聴いていました。しかし、ゆったりと落ち着いたまま終わり。多少の戸惑いはありましたが、演奏はなかなかなものです。

 ドラムがリズム・キープするのではなく、ブラシやマレットも用いて効果音として機能しています。これも効果的なのですが、この四人の演奏スタイルが最後まで続きます。そして最後まで聴かせるところはお見事でした。

 次に買うオデッド・ツールの作品では彼の違う面を味わいたいと思いながら、プレスリーの「好きにならずにいられない」でさえも幽玄な海の神秘の世界で表現する、この作品でのオデッド・ツールのスタイルは素晴らしいねと感じて、聴き終えました。