コルトレーンのアトランティック初録音は、規格番号1368として1961年12月に発売されました。コルトレーンのアトランティックでの録音は1961年5月が最後なので、本作が発売された時点では、どの演奏も発売できる状態でした。そんな中で第4弾に本作をアトランティックが選んだ理由は分かりませんが、このレーベルの人気者だったミルト・ジャクソン、そしてアトランティックの顔になってきたコルトレーン、この両者の組み合わせならば一定の売り上げは確実と判断したのでしょう。
このセッションでは8曲が録音されましたが、このアルバムには「Stairway To The Stars」「Blues Legacy」「Centerpiece」が外され、5曲が収録されています。各曲については「今日のコルトレーン」をお読みください。
アトランティック側が本セッションを仕掛けたのか、コルトレーンが望んだのかは分かりませんが、プラスアルファが本セッションから生まれなかったことは、残念であります。
重厚さ、軽やかさ、そして希望と不安な気持ちが流れるA面は、それなりに聴きごたえあるものでしょう。そしてB面は丁丁発止を期待しての選曲なのでしょうけれど、思ったような結果にならなかったとのものでしょう。
ミルト・ジャクソンが「俺の方が格上だぞ」とコルトレーンに迫り、「今の俺に立ち向かえるか」とコルトレーンが切り返す、そんな展開が欲しかったです。しかし見方を変え、この両者の気軽な顔合わせと楽な気持ちで聴けば、楽しめる作品です。