ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、200円で購入した作品です。
胡散臭く感じるヒゲ顔のジャケです。あまり信用できそうにないお顔です。そんなジャケの本作品がディスクユニオン関内店中古CD半額セールのエサ箱の中に、シールドされたままで10枚近く入っていました。想像するに、再プレスCDを仕入れたが全く売れないので中古セールにぶっ込んでおこうとのことなのでしょう。
サック奏者のDick Meldonianは「新・世界ジャズ人名辞典」に掲載されていない方です。ウィキペディアによれば彼は、1940年代終わりからプロとしての活動を始め、多くのバンドに在籍していた方です。そんな彼は1970年代後半から1980年代初めまでの数年間、スポットライトが少し当たった時期があったとのことです。
本作品はそんな時期に録音された、カルテットでの演奏です。
深みはないが、自信に溢れた演奏です。
世の中にはジャズに限らず、ミュージシャンの貧乏話は山のようにあります。ジャズ界でも黄金時代に活躍しながら、生活のために堅気の仕事についたというミュージシャンが何人もいます。
このディックはそんな世界で数十年間に渡り活動し、生活してきた方です。そこには強い自信が生まれることでしょう。また所属するバンドの花形奏者を食わない演奏というのも、自然に身についたことでしょう。
「どうだい、ジャズって楽しいだろう」とのディックの笑顔のように、聴き終えてからジャケを見ると感じました。そして私が聴く前に感じた胡散臭さは、消えておりました。