この作品は既に「今日の1枚」で取り上げました。コルトレーン特集と連動させたいため、「番外編」としてここに取り上げます。
本作は1957年の4月19日と5月17日の2つのセッションで構成されています。A面の3曲は5月・4月・5月、B面の3曲は5月・4月・4月となっています。
両セッションともコルトレーンが参加しており、4月にはマクリーン(as)とハードマン(tp)、5月にはシハブ(as)とシュリーマン(tp)が加わっています。
A面はアップ・スロー・アップ、B面はミドル・スロー・アップとの曲配置で、しっかりとアルバム構成を考えている選曲です。その内容はアルトの存在が興味深く感じるものです。
4月19日のセッションでは本作収録曲の他にもう2曲が収録され、そちらはステイタスから「ザ・デーラーズ」として発売されました。4月19日の全5曲だけでアルバム1枚ができるのにと思いますが、それはマルがアルバム構成を考えてのことでしょう。1枚の作品とするには違う演奏を入れたい、そこでマルがプレスティッジに頼み込んで、5月17日の録音となったと考えます。
もともと5月17日はクィニシェットのセッションの日、ならば副大統領登場前にシュリーマンとシハブを引き入れて3曲としたと思います。
こんなことはどの資料にも書いてませんので、私の勝手な想像であります。しかし4月19日に録音され本作に収録されなかった2曲を聴きますと、確かに本作にあれば浮いた存在になったと思います。