2018年9月6日掲載
Henry Franklin          The Skipper At Home
Black Jazz原盤           1974年録音

 アシッド・ジャズ、クラブ・ジャズ、私には実感の伴わないものです。しかしながら1990年に生まれたこの流行は、私にも良いことがありました。クラブ・シーンで人気の高まった欧州のジャズ作品が、雨後の筍の如く復刻されたのです。私はそんな作品を何枚も購入し、この「今日の1枚」で取り上げてきました。そんなクラブ・シーンの目は、このブラック・ジャズにも注がれたのです。ジャズ愛好家からの支持ではなく、クラブ・シーンの支持により、ブラック・ジャズは生き返ったのです。

 BJQD/17として発売された第16弾は、ヘンリー・フランクリンのブラック・ジャズ2枚目の作品です。例の小冊子から本作を紹介します。

 ピースフルな笑顔溢れるジャケットも素晴らしいベーシスト、ヘンリー・フランクリンのブラック・ジャズ2作目。突き上げるようなベースにリードされて疾走するファンク・ビートと、火をふくようなソロが一体となってグルーヴの頂点に駆け上がる不朽のクラブ・ジャズ・クラシックス「Blue Lights」を収録した傑作と名高い一枚である。スパニッシュな旋律を持ったチック・コリア作のワルツ「What Was」、ヒップホップのサンプリング・ソースとしても知られる「Sott Spirit」も力演だが、TRIBEレーベルからのリリースで知られるピアニスト、デヴィット・デュラーが参加した2曲が出色の出来栄えである。

 この小冊子のコメントは、私に聴くなと言っているようなのですが、しっかりと聴いてみます。

20180906

 「今日の1枚」はその時に聴いた感想を書くことを信条であり、書き直したことはありません。だからこそ長く続けられていると思いますし、また再度の感想のために「つまみ食い」を用意してあります。

 しかしながら「今日の1枚」2313枚目の本作で初めて、書き直しをすることになりました。なんと感想を書いたテキストファイルを消してしまったのです。ということで本作への感想を。

 主役のベースを軸に、各楽器が効果的に演奏を作っている作品です。全員のパワーを感じる曲もあり、全員の穏やかな気持ちを感じる曲もありと、楽しめる内容になっています。私の頭に浮かんだ絵は、一族の賑やかな晴れの場面と、一族の平穏な日々がを描いたようなものでした。その意味では、ヘンリーはまさにスキッパーと言えるのかなと、少々こじ付けを思いながら聴き終えました。