西洋では13が忌み数とされています。宗教的理由でのことのようですが、日本人でも13日の金曜日といえば、何と無く嫌な感じがします。その程度の私が忌み数13を強く認識したのは、海外駐在いの時でした。アパートメントに13階がないのです。私が住んだ所では、12階の上が14A階、そしてその上が14B階となっていました。
BJQD/14として発売された第13弾は、ウォルター・ビショップ・ジュニアズ・フォース・サイクルの作品です。忌み数の13を規格番号では飛ばしています。例の小冊子から本作を紹介します。
ウォルター・ビショップ・ジュニアのブラック・ジャズ2作目はフォース・サイクルなるグループ名義での録音であり、かつて数多のハードバップ名盤の脇役を務めた正統派ピアニストとしての姿からは想像もつかない冒険と挑戦に満ちた野心作となった。自身も半分の曲でオルガンをプレイするなど、アフロ/ラテン/コンテンポラリーなアプローチが目立っている。グイグイとドライブするジャズ・ファンク「Soul Village」、スリリングな7/4拍子の「N'dugu's Prayer」、高速ボッサ仕立ての「Blue Bossa」など、多彩なリズムとヴァラエティ溢れるサウンドで新境地を見せるビショップの知られざる一枚。
ビショップがエレピとオルガンを弾いているという、信じられない作品です。
エレピやオルガンの音の特徴をしっかりと捉えており、それを生かす演奏を展開していて、それはソウルを切り口にいろんな方向に考えを持って行ってます。
オルガンでの「Summertime」にはそんな特徴が詰まっています。この演奏を聴いていると、「ビショップ、あなたはどこに行くの」との気持ちになります。結局はこの後に元のスタイルに戻って行くビショップですが、この作品は揺れていた時期のビショップの姿を楽しめる作品です。「こんな演奏もしたのか」という記録が残っている、今ではこれが貴重なことになっていると思いました。