2018年7月3日掲載
Victor Feldman          In London (Vol.2)
Tempo原盤                 1956年12月の録音

 ヴィブラフォン,ピアノ,そしてドラム奏者であるビクター・フェルドマンの作品を「今日の1枚」で取り上げるのは、今回で3作目となります。ロンドンでのテンポ・レーベルへの吹き込みとしては2作目であり、渡米前の1955年の録音をかつてここで取り上げました。

 2001年にジャスミンから発売された本作は、テンポから発売された3つのLPから10曲が収録されています。1956年12月のビッグ・バンド、1957年1月のセクステットとクインテットでの演奏であります。この時期のフェルドマンはアメリカで活動していましたので、帰省の際の録音だったのでしょう。

 先にドラム奏者と書きましたが、実は本作のクレジットを見るまで、フェルドマンがドラムを演奏するとはしりませんでした。セクステットでの1曲で、ドラムを演奏しております。

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 7歳の時には一人前のドラム演奏をしていたフェルドマン、8歳で初録音、10歳でグレン・ミラー・バンドにゲスト出演し、神童と言われていたそうです。本作で聴けるドラム演奏は目立つものではないのですが、貴重な演奏なのでしょう。

 ビッグバンドではホーン陣の音の重なりが、セクステットではロニー・スコットのテナーサックスとディジー・リースのトランペットが、実に素敵なものでした。それらを支えるフェルドマンのピアノとヴァイブは、可憐な輝きを放っています。

 イギリス・ジャズ界の1950年代の姿が、良い形で本作に収まっています。