2018年7月4日掲載
Jazz At The Flamingo
Tempo原盤           1956年7月録音

 参加メンバーは、Tony Crombie(d), Ronnie Scott(ts), Harry Klein(bs), Terry Shannon(p), Lennie Bush(b) であります。リーダーはドラムのトニーで、6曲中2曲にTubby Hayes(ts)が参加しています。

 続いて「ジャズ・アット・ザ・フラミンゴ」について、調べてわかったことを書きます。ウィキペディアによれば、フラミンゴ・クラブが1952年から1967年までロンドンにありました。ナイトクラブで、お酒と女性に加えて、音楽も重要な要素のお店であり、ジャズの発展に寄与したそうです。

 「ジャズ・アット・ザ・フラミンゴ」と名付けられた作品は他に2作品あり、1953年と1955年にフラミンゴ・クラブで行われた演奏を収めた作品です。しかし本作はThe Railway Armsというところで行われた演奏であります。

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 新しい扉を蹴破ろうとしている若者の姿は、実に清々しいもので、怖くなるほどの熱気を感じる演奏がこの作品にあります。ロニー・スコットのテナー・サックスとハリー・クラインのバリトン・サックスの輝きには、惚れ惚れとします。またシャノンのピアノの斬れ味も気持ち良いもの。また楽曲も提供しているクロンビーは、演奏もリーダーシップもお見事です。そこにタビー・ヘイズが加わった2局は、大爆発演奏であります。

 フラミンゴというナイトクラブでのジャズは、実に熱気が溢れた演奏だったのでしょう。1950年代のロンドンの最先端スポットだと感じましたし、そこを舞台にした映画を作れば面白いのではとも思いました。本作はフラミンゴでの演奏ではないものの、その熱気はそのままだったのでしょう。

 この後にはイギリスの、そして欧州ジャズの中心人物になっていく方々なのですが、クラインだけはその活動知ることが出来ませんでした。きっと違う分野で花開いた方なのではと思いながら、いつの時代も新しい扉を蹴破ろうとする勢いは凄いものだと実感しました。