ビクター・フェルドマンって言えば、1960年前後のコンテンポラリーへの作品や、1980年代に入ってのコンコードへの作品が有名なヴァイブ兼ピアノ奏者。すっかりアメリカ人だと思っていましたが、1934年にロンドンで生まれた方なんですな。1950年代前半にイギリスで活動し、1955年にアメリカへ移民として渡ったそうです。
今回のジャスミンからの再発にあったては、渡米直前にテンポへ吹き込んだ4つのセッションを、1枚のCDにしております。全19曲中で有名なセッションとしては、5曲におけるビッグ・バンドものでしょう。
また、フェルドマン作の曲も多数収録されており、マイルスの演奏で有名な「セブン・ステップス・トゥ・ヘブン」の作者として著名な彼の、曲作りにも注目してしまいますね。
デューカーやリースのペットが冴えるセッションや、ヘイズやスコットのテナーが豪快なビッグ・バンドも良いが、フェルドマンのヴァイブを堪能するなら、イギリスの代表的ドラマーであるトニー・クロンビーとのピアノ入りクァルテットですな。特にクロンビー作の組曲の出来の良さもあり、フェルドマンの切ないヴァイブが堪能出来ますよ。
1950年代のイギリス・ジャズ・シーンの状況を認識出来る好盤と言える作品です。