2001年5月18日掲載
Tubby Hayes    The Swinging Giant, Vol.1
Tempo原盤    1955年3月録音

 数年前にタビー・ヘイズが1960年前後にフォンタナに吹き込んだ作品が一挙に再発され、日本においてさほど注目を浴びていなかったヘイズが、気軽に買える存在になりました。

 1935年生まれのヘイズは、ヴァイオリン奏者の父親の影響で8歳からヴァイオリンを習い始め、10歳でピアノ、更に13歳でテナー・サックスを演奏し始めました。セミ・プロ楽団を経て1950年代には本格的なプロ活動を開始し、1955年に自身のバンドを結成して、世間の注目を集めました。テンポに数々のセッションをこの時代に吹き込んでいたのですが、今回数種類のCDでジャスミンから復刻されました。

 今日取り上げるこのCDのメインは2つ。1955年の3月から7月にかけて、オクテットで行われた3回のセッション。もう一方がこの年の7月に行なわれた、クァルテットでのセッションです。

20010518

 オクテットの方ではデューカーのペットが目立って、ヘイズをさほど意識できない。その点、やはりクァルテット。線の太くて明るい音色のテナーから、メロディが溢れ出てくる想像性には感服します。20歳でこの演奏なのですが、アメリカで活動していたら、爆発的な人気者になっていたでしょうね。勢いのいい「evil eyes」、しっとりした「imagination」が圧倒的なセッションです。