愛され続けているピアニストのウィルター・ビショップの作品は、「今日の1枚」で4枚取り上げてきました。それらは1960年代から1990年代のもので、長きに渡りレコーディングの機会が与えられていることからも、彼が愛されている理由がわかります。
さて1997年の日本のノーマから発売された本盤は、実はカップリング・アルバムなのです。かつて隠れた名盤として名を馳せていたCottllionに残した「Summertime」と、隠れたままであったOperatorsに吹き込んだ4曲を収録したものなのです。Operatorsへの4曲のオリジナル発売は、ピート・ヨークとのカップリングで「Pair Of Naturals」というタイトルで世に出ていたそうです。
「Summertime」はかつてここで紹介しましたので、今日はOperatorsへの4曲を聴いてみます。
「Summertime」が500人ほどの会場で考えた演奏だとすれば、このOperatorsへの4曲は50人ほどの酒場での普段着での演奏と言えるでしょう。飛ばしに飛ばす演奏の中でひっそりと咲いているバラッド「Yesterday's Dream」での優しさが、ビショップさんの普段の姿なのかと感じて、聴き終えました。