バリー・ハリスの本作品は、あまり語られることが少ない作品です。ネットでみても、販売店サイトばかりヒットします。バリー・ハリスは、特にリバーサイドでの5作では、作品ごとにメンバーを替え、作品の趣きも変えております。今日は地味なハリス作品を聴いてみます。
メンバーは、ロニー・ヒリヤー(tp),チャールス・マクファーソン(as),アーニー・ファーロウ(b),そしてクリフォード・ジャーヴィス(d)であります。
ロニー・ヒリヤーは、録音当時は20歳でありました。14歳の時からバリー・ハリスと活動していたようですが、この当時は無名のお方でした。チャールス・マクファーソンは録音当時は21歳で、これまた当時は無名な方。この作品はこの二人を売りだすために作られたと思います。
ハリスへの「ビ・バップの伝道師」とのキャッチ・フレーズには馴染めない点がありますが、確かにこの作品はハード・バップというよりは、ビ・バップの香りを穏やかな雰囲気で伝えている演奏であり、この中でこの2管の若者の個性を出していこうとのハリスの思いがあったのではなにのでしょうか。
ヒリヤーはこの後にミンガスのバンドで活躍し、またマクファーソンは同じくミンガスのもとで活躍しながら、ピンでも多くの作品を残すようになります。この作品は、若者二人のそんなきっかけの1枚であります。