リーダーはドラム奏者の中村達也。彼にとって「New York Unit」以来2年ぶりの吹き込み作品であり、メンバーは「New York Unit」と同様であります。アダムス,ヒックス,そしてリチャード・デイビスという方々であります。
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このメンバーなら当然なのでしょうが、そこそこ楽しめる作品です。欠点は主役不在なこと。ユニットとしてのまとまりを重視したのでしょうが、決め手を欠いた作品とも言えます。その中で光っていたのが、デイビスのベースとヒックスのピアノに焦点をあてた『A Minor Melody』と言えるでしょう。ローランド・ハナが作った美しくも悲しいメロディを、透明感と重量感があるベースとピアノがしっかりと表現しております。アダムスがオフのこの曲が最も良かったというのが、この作品の象徴なのでしょうか。