スティープル・チェイスからの発売なので、てっきり欧州でのライブ録音かと思っていたら、これはNYでのスタジオ録音作品です。Barry Harris(p),Sam Jones(b),Al Foster(d) との、クァルテットでの演奏。ゴードンのオリジナルが2曲、スタンダードが2曲収録されています。ジャケットに写るゴードンは、録音時点の53歳よりもかなり老けて見えます。
サックスもので『スカイラーク』と言えば、アルトですがソニー・クリスの演奏を思い出します。奥に秘めた恋心を歌ったこの曲を、クリスは切なさたっぷりに演奏しておりました。
一方でゴードンは、恋に不器用な男が、その気持ちを何とか表そうともがいている感じの演奏。そのもがき方が、なんとも共感してしまうもの。勢いのいい演奏の中に混ざってのこんな『スカイラーク』だっただけに、なおさら共感が増しました。