ミンガスのアトランティック時代後半の作品を、今日は取上げます。参加メンバーは、Jimmy Knepper(tb),Booker Ervin(ts),Roland Kirk(ts, mzo, str,siren, fl),Doug Watkins(b),Dannie Richmond (d) であります。興味を惹く参加メンバーは、二人おります。
先ずは、ダグ・ワトキンス。ベーシストの作品にベース奏者が参加しているのですが、ベースの二重奏ということではありません。主役のミンガスは、ピアノと歌に専念している作品なのです。
次に気を惹くメンバーは、カーク。カークとミンガスの共演は、1961年と1974年に行われております。
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ミンガス作のブルースが並んでいる作品。緩やかなブルース・フィーリングに感心しながら、曲名を見れば『神よ原子爆弾を降らせ給うな』という恐ろしいもの。こういう思想は抜きにして聴くことを、お勧めします。
さて演奏なのですが、全体を通して、カークとアービンの個性が発揮されていない。また、ミンガスがベースを弾かない意味も分からない。アトランティック・レーベルでのミンガス諸作品の中で、この作品が目立たないのは、そんなところが理由でしょう。