2008年12月19日掲載
Andrew Hill             Black Fire
Blue Note原盤         1963年11月録音

 アンドリュー・ヒルのBNでのデビュー作品です。この録音から1年ほどの間にアンドリューは4枚立て続けにBNに録音し、そのどれもが時代を反映した作品として、高く評価されています。

 このコーナーで録りげたアンドリューの作品は、1960年録音盤1999年録音盤の2枚で、彼を語る上で重要ではないもの。ジョー・ヘンダーソン(ts),リチャード・デイヴィス(b),そしてロイ・ヘインズ(d)と吹き込んだアンドリューの重要作品を、今日は取り上げます。

20081219

 ジョー・ヘンは「Page One」を吹き込んでから、約半年後の演奏になります。既に風格というか、無骨ながらジョー・ヘン節が確立されています。独特の音色と太さも加わったその演奏は、聴き応えあるもの。

 アンドリューはこの作品のコンセプトとして、ジョー・ヘンのテナーの存在を徹底して活かすことを考えたのでしょう。それが見事に当たって、『パンプキン』とタイトル曲では、体に突き刺さるようなメロディとパーカッシブな演奏で、素晴らしい演奏に仕上がっています。

 またジョー・ヘン抜きの曲も用意してあり、アンドリューの独自性が活きたリズミカルな演奏であります。『マクニール・アイランド』はドラム抜きでの演奏ですが、身の引き締まるようなバラッドとなっています。この時点でのアンドリューのやりたい事が、全て詰まっている作品です。