2001年1月7日掲載
Andrew Hill         Dusk
Palmetto原盤     1999年9月録音

 black fire, judgement!, smoke stack, point of departure, andrew, aompulsion! と1963年から1965年にかけて立て続けにブルー・ノートの4000番台に作品を発表していったアンドリュー・ヒル(p)が、ジャズ・ファンにとっての彼へのイメージでしょうな。このコーナーでは、アルフレッド・ライオンに引っ張られる前に吹き込んだ目立たない彼の作品を前に取り上げていますが、今回取り上げるのはブルー・ノートの快進撃から30年以上経ってからから吹き込まれた作品です。シックステットとソロによるレコーディングです。分かりやすい演奏ではないが、聴き込んでしまう1960年代の快進撃から、どのような姿に変わっているのでしょう。

20010107

 1960年代のヒルの魅力と言えば、その革新性と独創性であろう。極限までの緊張感と、垣間見せる叙情性が素晴らしかったのだ。ここではスタイルはそのままだが、緊張感がないな。というか、今の時代にこのスタイルが受け入れられない、或いはその意味が見出せないと言った方が良いのかな。一瞬の叙情性はそのまんま。これを発展させたヒルを聴いてみたいな。