2008年1月28日掲載
The Jazz Messengers     Live At Sweet Basil
Paddle Wheel原盤         1985年3月録音

 ジャズ界に重要な足跡を残していたJMですが、その足跡は1960年代前半までのこと。ショーターが抜け、モーガンが抜け、そしてティモンズが抜けていった後は、今でも語られる作品は皆無であります。そんな状態が20年近く続いたのですが、1980年代に入り、ウィントン・マルサリスの参加などもあって、JMの名が再び注目され始めました。その注目度が一気に高まったのが、今日取上げる作品です。

 Terence Blanchard(tp),Donald Harrison(as),Jean Toussaint(ts),Mulgrew Miller(p),Lonnie Plaxico(b)が、参加メンバーであります。

20080128

 往年の演奏が汗まみれの熱気ならば、それから20余年後の演奏は綺麗な熱気。しかし、この綺麗な熱気も、聞き惚れるもの。アンサンブルといい、ソロといい、何度聴いても爽快感があります。参加メンバーを見れば、Jean Toussaint 以外は現在でもバリバリの現役であることから、御大の人選の確かさが伺えます。御大にとっては不遇の20年があったわけですが、やはり真面目に続けてきたことが、1980年代に再びJMに輝きを取り戻したのでしょう。良き時もあれば、悪い時もある。悪い時でも、腐らずに真面目に続けること、再び良い時を迎えられる。何だか、今の自分に当てはまる気がして、より一層この演奏に聞き惚れました。

 さて輝きを取り戻した御大なのですが、この5年後に亡くなりました。享年71歳。ジャズを一身で表現した人生でありました。