2007年11月3日掲載
Ralph Peterson      V
somethin'else原盤     1988年4月録音

 マウント・フジ・ジャズ・フェスティバルの第1回開催は、1986年のこと。アルフレッド・ライオンが、病を押して参加しておりました。その1回目と翌年の2回目に、活きのいい若者を集めた企画グループOTBが参加しておりました。そのOTBのドラマーであったラルフ・ピーターソンの初リーダー作品が、今日取上げる作品であります。
 テレンス・ブランチャード(tp),スティーヴ・ウィルソン(as,ss),ジュリ・アレン(p),フィル・ポウラー(b)が参加しての、クィンテットでの録音です。

20071103

 ドラムの切れ味を堪能する作品。テレンスとスティーヴはとっぽい振りをしながらも、実は落ち着いた演奏。ドラムがリーダー作品における管の役割を分かったかのような目立ち方。一方ジュリ・アレンに関しては、もう少し活躍して欲しかった。兎に角ラルフの演奏の爽快さに浸りながら、6分ほどの『soweto 6』での、最後の1分の熱気。そしてそれに続くバラッド『vola's dance』での穏やかさ。この展開が印象に残った作品。

 因みにラルフがバラッドを書いたのは、マレイに提供した『water colors』以来だとか。なかなかの作曲家ぶりです。さてこの作品は、発売当時にSJからGDに認定されたもの。ジュリ・アレンがもっと活躍したならば、今でも高い評価を持ち続けている作品になったでしょう。