1950年代から1960年代初めまでのジョニー・グリフィンの活躍は、リバーサイドなどのレーベルへの録音などから、今でも熱烈に支持されているものです。そんな彼を支持していたアメリカの観客と批評家達は、1960年代に入ると、グリフィンの音楽から遠ざかっていったのです。そんなことで彼を始めとする多くのミュージュシャンが、欧州に活動の場を求めました。
グリフィンは15年間もの長きに渡り、欧州で活動しておりました。そして久し振りにアメリカを楽旅したのが、1978年のこと。このことを聞きつけたリバーサイドのプロデューサーだったオリン・キープニュースはレコーディングを持ちかけ、この作品に至ったのです。ロニー・マシューズ(p),レイ・ドラモンド(b),キース・コープランド(d)という、アメリカ・ツアーでのメンバーとの録音です。
これでもかと、アップ・テンポで迫る『枯葉』。グリフィンの爆発テナーを聴けば、この年のアメリカ・ツアーでの好調振りが分かるものです。この『枯葉』は、この曲の名演に加えても、おかしくないものです。さて他に5曲収録されており、ミドルからスロー・テンポでの演奏。ここでのバック陣の演奏は、粘り気のないもの。グリフィンのテナーを支えきれないもの。このバック陣のデキならば、アップ・テンポをもっと取上げておけば良かったと思う内容であります。