今年始めにCD再発されたこの作品には、1963年録音と書いてありますが、1967年録音が正解であります。ロンドンのロニー・スコット・クラブでのライブですが、ブロッサム・ディアリーさんはこの前年にもここで吹き込んでおり、それは「アット・ロニー・スコッツ」というタイトルで発売されております。
1956年の録音のヴァーヴ第一弾作品を過去ここで取上げましたが、それから20年後の41歳の時の録音になります。弾語りの彼女を支えるのは、フレディ・ローガン(b)とアラン・ガンリー(d)。地味なナンバーを取上げている作品です。
41歳なのにと思いますが、少女系歌声は健在であります。そして、歌に余裕が生まれている。円熟味というべきなのでしょうけれど、聴く者を包み込む暖かさが、彼女の歌にあります。そしてこの作品の魅力は、選曲の良さ。12曲収録されていますが、方端から紹介していきたくなります。その彼女が引っ張り出した曲を、彼女は抱擁を交わすように歌っていっております。
彼女の歌声が気に入る時がくれば、この作品は僕の愛聴盤に変わっていくことでしょう。