クリス・クロスの今年2月の定期発売作品は、通常通り5作品ありました。いつもならば3~4作品購入しておりましたが、何故かクリス・クロスへの情熱が少し弱まり、2枚しか購入致しませんでした。1枚は、先に取上げたJesse van Ruller の作品。他に発売された中には、Victor Goines や Jim Rotondi、そしてDavid Hazeltine の作品があったのですが、何故か購入したのは Donny McCaslin の作品でありました。
僕にとっては、未知のサックス奏者であります。彼にとっては4枚目のリーダー作品であり、クリス・クロスへは初のリーダー作品の吹き込みとなります。John Swana(tp),Steve Cardenas(g),Scott Colley(b),Gene Jackson(d) が参加しての、ギター入りピアノ・レスのクィンテット録音であります。
8曲中7曲が、Donny McCaslin作によるもの。どれもが、無理矢理こねくり回したようなメロディで、なかなか耳がついていかないものです。またそれを演奏するDonny McCaslin のサックスも、メロディ同様に、無理をしてフレーズを捻り出している感じがします。では、今後の彼が取るべき展開と言えば、肩肘張らず気軽な気分で演奏すればということになるのでしょうが、それだと彼の個性がなくなるもの。結局のところ、記憶されることなく消えていくミュージュシャンなのでしょう。