マルチ・リード奏者アンソニー・ブラクストンの作品を、今日は取り上げます。
1967年に世の中に登場してきたブラクストンは、ポスト・フリーのジャズ界の中で、様々な演奏活動を行ってきました。この録音までの3年間に彼は、20枚近くのレコーディングを行っていたようです。
今日取上げる作品は、1970年の幾つかのフォーマットでの演奏を収録したものです。チック・コリアとのデュオ。或いはケニー・ホイラー(tp),デイブ・ホランド(b),バリー・アルトシェル(d)との演奏。さらには、チューバ・アンサンブルとの演奏などです。
ブラクストンの宇宙を彷徨う響きに、フワフワした気分で浸れる作品。難しい顔をして聴くのも良いが、砂温泉に寝転がっている気分で音を楽しむことを、推奨したい作品です。そうすれば、難解と言われる音楽が、心地よい響きに変わっていきます。
LPでは2集に分けて発売された作品ですが、1988年に買ったCDは1枚もの。そこでの曲順で示すならば、トリオでの5曲目、チューバ・アンサンブルとの6曲目、コリアとの7曲目と続く展開が、お勧めになります。この後、ブラクストン,コリア,ホランドは、バリー・アルトシュルを加えてサークルを結成することになります。