このフェイヴァリットというレーベルからの2枚目の作品を、昨年末に取上げました。今日取上げるのは、このレーベルからの最初の作品であり、かつ2枚目の10年前に吹き込まれたものであります。
Han Bennink(d),Curtis Clark(p),Ernst Glerum(b)の3人で吹き込んだ、ピアノ・トリオ作品です。因みにベースで参加している Ernst Glerum は、2枚目ではピアノを弾いておりました。
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このレーベルから2枚目の「Omnobus One」と同じ雰囲気がある作品です。ゆったりとした、しかし重いうねり感での演奏。そして、ドラムのブラシが効果的に使われており、また歌っているベースも印象的。しかしながら、「Omnobus One」で感じられた「空間に酔える印象的な作品」という感想は、この1枚目の「Home Safely」ではそれほどではない。
恐らくこのレーベルは自主制作に近いものなのでしょうけど、レーベルのカラーはしっかりとしているもの。そのカラーが、1枚目と2枚目では受け取る側の感性に対して、微妙に違った色合いになったということでしょう。この1枚目では、変化のない流れと感じてしまう場面が多かったです。3曲目の『ballad of jake spoon』や、11曲目の『marseille』のような、全体の流れを変えられる曲をもっと用意すれば良かったのにと思いました。
いずれにしても、要注意のレーベルと言えるでしょう。