2005年12月30日掲載
Glerum Omnibus     Omnobus One
Favorite原盤         2004年4月録音

 このジャケットは去年の終わりごろから今年の春頃にかけて、何度か目にしました。11月終わりの一時帰国の際に寄った新宿ユニオンで目にして、自然な流れで購入に至った作品です。

 さてGlerum Omnibusとはグループ名のようです。Ernst Glerum(p,b), Clemens van der Feen(b), Owen Hart, Jr(d), Han Bennink(snare-drum)という4人が参加しておりますが、ドラムは曲によっての入れ替わりになっておりますので、トリオ編成と言えます。オランダの新しいレーベルからの作品です。

20051230

 ゆったりとした、しかし重いうねり感が、聴く者を強烈に包み込む作品。ジャケット写真に例えるならば、次のよう感じです。バスで広大な欧州の平原を走っていると、窓から見える景色は同じように進むように見えるが、実際は山あり坂ありの道をエンジンが懸命に回転しながら走っている。そして行程を振り返ってみれば、景色は様々に変わっていたことに気付き感動を覚え、バスの大いなる力に感謝するというようなものです。

 ピアノのErnst Glerumが数曲でベースを弾き、ベース2本とドラムという演奏があります。ベースの力強い共演に酔いしれます。特に『naima』が秀逸。またシンプルな構成のドラムから生み出される、スネアとシンバルからのリズムが効果的。

 空間に酔える印象的な作品です。