ステューイ・フォン・ワッテンウィルはピアニストであり、2年以上前にこのコーナーで1度リーダー作を取上げたことがあります。それは、アレキサンダーを加えたクァルテットでのライブ盤でありました。僕の感想はアレキサンダーに集中しましたが、ステューイのピアノも実に魅力的でした。今日取上げる作品はトリオでのスタジオ録音であります。また僕の掲示板への書き込みで推薦いただいた作品でもあります。
クァルテットでのライブ盤で聴けた切れ味がないと思いながら聴き進めると、何だかステューイの人となりが浮かび上がってきました。それは一見物静かに見えるが、喋りだすと面白い人。その面白さが発揮し始めたのが『my favourite things』。面白いというよりは、個性が前面に出ると言った方が正解なのですが、この曲への解釈力と構成力には感心。そんな意味合いで楽しめる曲が数曲あった後、最後から2曲目にレイ・ブライアント作の『reflection』が用意されています。ここではクァルテットでのライブ盤での切れ味のような演奏。こんな感じをもう少し散りばめてあればなと思いながらも、楽しめた1枚でした。