2006年3月10日掲載
Don Menza         Live At Claudios
Sackville原盤     1991年8月録音

 昨年12月4日に香港に持ってきた作品です。そしてこの作品は12月10日の日経新聞の切抜きとともに、僕の部屋のTV横のCD置きコーナーに、3ヶ月間置かれておりました。

 「人間発見」というコラムが日経新聞にあり、北村英治さんが五日間ほど掲載されておりました。その中で北村さんが子供やアマチュア奏者への指導を熱心に行っており、1990年にはその生徒達をLAに連れていき、本場のジャズを経験させたそうです。

 その際に、今日の主役ドン・メンザに会ったそうですが、ある参加者は感激に震えたそうです。何でもその参加者は、ドン・メンザが編曲した譜面で一生懸命練習していたとか。演奏派ではない人間には、経験出来ない感動なのでしょう。そして、ビッグ・バンド愛好家にとってはドン・メンザは有名な方なのが、この記事から分かりました。

 一方のこちらは聴くだけのジャズ・ファンであり、ビッグ・バンドは避けている人間。そんな者が手にしたメンザの作品は、寺島本でメンザの存在を初めて知った1997年録音のクァルテット盤が最初のもでした。今日取上げる作品は、それより6年前にモントリオールのジャズ・クラブで行われたライブ盤です。

20060310

 ジャケには、メンザさんの温和そうな表情が写っております。演奏も温和なもので、この年齢に達しなければ表現出来ない落ち着き方です。

 またコ・リーダーのような位置づけのドラムのピート・マガディーニさんも、優しそうな人懐っこい表情でジャケに写っております。彼がこのバンドのまとめ役のようで、バッキングに徹して、素敵なライブを演出しております。ベテランにもかかわらず、何故か全くの無名と言ってよい存在の方。ピートさんのwebページを見たところ、地元でドラムのレッスンも行っているようです。地元に根ざして長年活動してきた方なのでしょう。

 優しさ溢れるワン・ホーン・クァルテットのライブ盤として、ひっそりと、しかし存在感をもって咲いている作品です。