似た雰囲気の白人アルト奏者二人でプレスティッジへ作品を吹き込んだのは、1957年3月のこと。適当に組み合わせたセッションがなかなかのものだったので、それから半年後にレーベルを変えて、吹き込まれた作品です。
そしてバック陣の貧弱さはプレスティッジ盤と同様のもの。ボブ・コーウィン(p),ソニー・ダラース(b),そしてニック・スタピュラス(d)という人選でした。
岡崎氏の解説を読み返して、ウッズが亡きパーカーの奥さんと結婚したことを、思い出しました。キムという子供も引き取ったのです。そのキムに捧げた賛歌が『hymn for kim』。愛情溢れる演奏です。続いて演奏される『dear old stockholm』での、哀愁さ。フィルとジーンの演奏が、さらに愛情と哀愁さを高めています。
豪華列車の車窓から眺める雨の日の光景のようなフィルと、超高速列車での晴れの日のようなジーンの演奏が、楽しめる内容。バックも好演しており、アルト2本での好盤となっております。