Stone Alliance というバンドの原型は1960年代半ばに出来たようです。この1977年のアムステルダムでのライブ盤でのメンバーは、Steve Grossman(ts,ss),Gene Perla(e-b),Don Alias(d) の3人であります。僕の興味はグロスマンであります。この時期の彼は、エルヴィン・ジョーンズのグループを脱退し、そして1970年代終盤にアル中で音楽活動を停止するまでの、狭間にあたる活動です。
時代はフュージョン。それを好まないミュージュシャンでも、お金のためにフュージョン演奏。また、ロック畑の方々と交流していくジャズ・マンも居た。その一方で、フリー・ジャズの泥沼へ突き進む者もいたし、ロフト・ジャズの面々達も。寺島氏流に言えば、木の幹を見失って、枝葉ばかりを追い求めた時代。そしてこの時代を体験出来たリスナーも、この時代のジャズを語れるものが居ない状態。枝葉が多すぎたのである。
その中にあって、このストーン・アライアンスは、幹のジャズをしっかりと見つめながら、ロック味を加えていった流れであろう。恐らくは、クリームから影響を受けているのではないかな。次々に叩き出される強力リズムと、メロディが出てきた止まないグロスマンのサックス。この勢いの気持ちよさは、快感である。グロスマンのイマジネーションが酒の力を借りたものであったとしても、この気持ちよさを否定するものではない。
この作品は輸入盤で買ったのですが、購入から数ヶ月して国内盤で、この作品を含めて3種類のライブ盤が発売されました。同時期の欧州ツアーのもので、曲目もかなりダブっていて、SJのレビューによれば勢いはこのアムステルダムが一番だとか。この勢いに惚れているので、他の2作品には手が伸びませんでした。