2005年8月25日掲載
Alex Riel              what happened?
Cowbell Music原盤  2003年2月録音

 ヨーロッパ・ジャズの重鎮であり、名ドラマーであるアレックス・リールの作品です。彼のサイトを見る限り、過去8枚のリーダー作品を発表しているのですが、その中でピアノ・トリオは2枚だけです。そう言えば、過去ここで取上げた作品はシクス・テットでした。

 さてこの作品はピアノ・トリオ。今年に入って日本で大人気になりましたね。恐らくはSJ誌の輸入盤ワールドで取上げられたのが、その人気の要因でしょう。しかも、リスナーの方々からの評判もよろしい。そんな状況の中で、5月下旬にネット通販店DNに再入荷した際に、注文したのでした。

 注目のメンバーは、Heine Hansen(p) とJesper Lundgaard(b) という、ベテランと若手の組み合わせです。さて録音日に関してですが、2003年2月と2004年4月となっております。収録時間は44分ほど。何で1年以上かけて、録音したのでしょうかね。

20050825

 穏やかなメロディを弾くピアノですが、低音部のリズムはしっかりしたもの。この両方が合わさって、小粒ながらキラリと光る演奏です。今や名人の Jesper Lundgaard は、随所に冴え渡る小技を披露しております。そしてドラム。ソロでの見せ場は用意せず、バッキングでの演奏、特にシンバルを効果的に使った演奏が、お見事でした。特に『giant steps』での演奏が、良かった。リールの先を急がせるシンバルと、穏やかに奏でるピアノと、でしゃばるベース。これが調和された演奏になるのですから、お見事。『Ac-cent-tchu-ate The Positive』何て楽しい曲も、なかなかのもの。

 恐らくは全体の色合いを統一させたアルバムにするために苦心し、2度の録音となったのでしょう。ボーナス・トラックの意義は分かりませんでしたが、佳作と言える作品です。