WSQ14枚目の作品は、3作ぶりにピアノ・ベース・ドラムというリズム・セクションを加えてのものです。この中で前回と同じなのはドラムの Ronnie Burrage だけで、他はDonald Blackman(p,key) と Calvin Jones (b)に替わっております。全10曲収録されていますが、演奏時間からみますとメインは、ブルーイット作の『Blues For A WarriorSpirit』とマレイ作の『The Desegregation of Our Children』でしょう。ちなみにマレイ作のこの曲は、マレイにとっては4回目の録音となります。
いろんなパターンの曲が、聴き易く演奏されています。聴き易くと言うのは、どうしてもサックス4本だけの演奏だと、毛嫌いする人がいるのも事実。本来の目的であるホーン・アンサンブルの妙を保ちながらも、リズム・セクションを加えることによって、このグループの演奏を入り易いものにした感じであります。
それはそれで成功であり、冒頭のオリバー・レイク作の3曲により明るさと、マレイ作の『The Desegregation of Our Children』による悲しみの表現で、その良さが実感出来ます。しかし、このグループの持ち味であるホーンの持つ力強さの表現が薄まっているのが残念な点です。