2005年8月26日掲載
Muriel Zoe           Neon Blue
ACT Music原盤     2004年録音

 今日取上げるドイツ出身の女性ヴォーカリストは、ミュリエル・ゾーイ,或いはミュリエル・ゾエと発音するらしいです。

 彼女は、1969年に生まれ、12歳からギターを始め、15歳の時にはオリジナル曲を作っていたそうです。今回の青色が印象的なジャケットが印象的な本盤は、彼女にとって2作目のものであり、「オリジナル曲とスタンダードの間で、正しいバランスを保つのがいつものチャレンジ」との彼女の発言に沿った収録曲となっております。ただしスタンダード曲では、ジャズ・スタンダードのみならず、ポップス・スタンダードとも言うような曲も含まれています。ギター,トランペット,ベース,そしてドラムをバックに、彼女がギター弾語りで吹き込んだ作品です。

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 不思議なリズムだ。「ズンドコドッコイ」とも、思いっきりスローにしたレゲエを考えすぎの方が演奏したようにも、このリズムは聴き取れます。この印象は数曲の印象ですが、摩訶不思議はリズム感は、全体を通して言えるもの。そのサウンドは、アコースティック・ギターを中心とした風が吹いています。それにのる彼女の歌声は、掴み所が無いような、自己主張が激しいような、不思議な女のそのもの。それでいながら聴かせる歌は、Silje Nergaard さんに通じるものがあります。ジャズではないと言いたくなるスタイルの歌ですが、ジャズなんだな。こんな感じで、例えば『it's allright with me』のようなジャズ・スタンダードも、『a hard days night』のようなポップス・スタンダードも、同じ土俵に引っ張り込んで歌っております。

 この盤を購入した決め手は、ジャケットの青色。タイトルに引っ掛けての輝く青色なのでしょうが、ジャズのジャケットでこの青色を使った作品は、記憶にないものです。また、デジパック内側には、この青地に「2643」と白くデジタル表示数字が並んでいます。この意味も、さっぱり分からず。不思議で分からないことがある作品ですが、しっかりと記憶に残る作品になるでしょう。