2002年9月7日掲載
Alex Riel        Rielatin'
Stunt原盤     1999年10月録音

 欧州ピアノ・トリオ名盤の陰にアレックス・リール有り、って言っても言い過ぎとは言えないことは、この辺りの作品の新譜買いに励んでいる方々には頷いていただけることでしょう。

 さて主役としてのアレックスさんはどんなもんでしょう、と思って買ったのがこの作品。でも、トリオじゃないよ。Kenny Warner(p),Jerry Bergonzi(ts),Michael Brecker(ts),Mike Stern(g),Chris MInh Doky(b) と組んだシクステットでの作品です。

 オリジナルやスタンダードを演奏しているこの作品、ドラマーとしてのリーダー・シップは如何なるものになっているのでしょうか。

20020907

 ドラマーがリーダーである作品と意識したのは、ドラム・ソロの「in my own "sweets" way」だけ。それは変な表現ですが、静けさを感じさせる内容。

 メンバーが曲毎に変わる他の曲では、決して派手ではないがメンバーを引き立たせるシンバルが、特に印象的でしたね。サックス二人参加のコルトレーン作「bessie's blues」では、地鳴りするベースとシンバルで幕が開き、メンバーそれぞれが重厚なブルースを繰り広げており、フリーとフュージョンのエッセンスが微かに加わった、なかなかの出来になってます。

 出だしはこれと同様のパーカー作「dexterity」では、ブレッカーではないサックスの方の演奏が堪能出来ます。それと、ワーナー。サイド参加では言い味出しているね。以前ここでリーダー作品では、散漫な印象でしたが、ここでは深遠な雰囲気が素敵な演奏。ピアノ・トリオで披露された「I fall in love to easily」での8分間は魅力的でしたな。ベースのクリスは、地味な写真とは打って変って力入った演奏でリールとピッタリであっているので、この3人だけで作品を作って欲しいと期待した内容でした。