2005年7月14日掲載
Wagenleiter-Stabenow-Ruschenbaum
Trio Concepts Vol.3
YVP原盤                  1997年5月録音

 ピアノ・トリオによる作品でありますが、注目はどうしてもピアニストということになり、それはクラウス・ヴォーゲンライターであります。このヴォーゲンライターは、「今日の1枚」の開始時期に取り上げた方でした。それはヴォーゲンライターのリーダー作「Sweet Choice」という素晴らしい作品であり、是非とも彼が参加しているトリオ・コンセプツ3部作を入手したくなり、渋谷ジャロさんに発注致しました。しかしYVPレーベルはなかなか再プレスしないレーベルのようで、入手できないままの状態で時が経ち、注文した僕も注文を受けた渋谷ジャロ店主も、すっかりそのことを忘れてしまっていました。

 今年4月下旬の一時帰国の際に渋谷ジャロの中古CDコーナーにこの作品があり、6年前を思い出し、すぐさま購入しました。今回運良く出会えたのは第3集であります。

20050714

 ほど良い加減のピアノ・トリオなのです。ほど良いタッチの強さ、ほど良いブルース感覚、ほど良い美しさ、ほど良い感情表現なのです。それでいて、個性を感じる演奏なのです。昨今の過度の美しさと感情表現の一瞬の良さでは、決して味わえないものであります。確か「Sweet Choice」でも演奏していたヴォーゲンライター作の「clearwater mountain」、そしてベースのStabenow作の「Zeralda's Waltz」と「Blues for Zeralda」が特に良かったです。

 さてヴォーゲンライターの最近の活動なのですが、どうもビッグ・バンドに軸足を移しているようです。是非ともトリオ作を再びと願いながら、「Trio Concepts」の1集と2集に出会えることを夢見て、聴き終えた作品です。