2005年5月3日掲載
Jo Stafford        Starring Jo Stafford
Capitol原盤       1950年頃録音

 1990年頃に東芝EMIから「we love jazz」シリーズと称して、キャピトル,ユナイテッド,パシフィック,ルーレット,リバティ等のレーベルの作品が、続々とCD化されました。その第一期にジョー・スタッフォードの『ニューヨークの秋』があり、このコーナーのごく初期に取上げました。

 今日取上げる『スターリング』は、「we love jazz」シリーズの第二期に発売されたもです。この作品は、彼女が1945年から1950年頃までヒット・チャートを賑わせていた曲を集めたものです。

 さて『ニューヨークの秋』をこのコーナーで取上げた際に、彼女の歌の形容として使われる「トランペット・ヴォイス」の意味が分からないと書きました。それを掲載した二日後に、当時の僕の掲示板の常連だった方から、「ノン・ヴィブラートで歌う事をトランペット唱法と言う」と教えて頂きました。ジョー・スタッフォードの作品を次に取り上げる時にこの事を書こうと思っていたのですが、まさかそれから6年後になるとは、思ってもおりませんでした。

20050503

 ベトナム戦争の時にアメリカ兵士が好んで聴いていたのは、ロックでした。これは「グッド・モーニング・ベトナム」を観での知識なので、実際のところでは不明です。

 さて第二次世界大戦の時にアメリカ兵士の間で圧倒的な人気を博したのは、このジョー・スタッフォードだったのです。当時はまだ20代前半のジョーさんなのですが、疲れはてた兵士を包み込むような、暖かさが溢れている歌です。兵士にとっては、恋人であり母親だったのでしょう。

 その後にジョーがヒットさせた曲がこの盤に詰まっているのですが、南北戦争まで時代が遡るのではと感じる曲が多くあります。『red river valley』などは、その代表格。勿論ジャズの匂いを感じさせる曲もあり、『the gentleman is a dope』がそんな曲です。

 彼女の歌の魅力が詰まっている1枚です。