アニタ・ワーデルさんの1995年録音のデビュー作品(ピアノとのデュオ)を取上げた際に、ピアノ・トリオをバックにした他の作品を聴きたいと書きました。デビュー作から3年後の本作品は、彼女2枚目の作品。Jason Rebello(p),Arnie Somogyi(b),Marc Meader(d)との録音です。オーストラリア生まれでイギリス在住の彼女が、イギリスで威勢のいいレーベルに吹き込んだものです。
明るく透き通った声ですが、はにかみやのような恥ずかしがり屋のような雰囲気が漂っている歌声。しかし聴いてみると、しっかりと歌っている。ミドルからハイ・テンポの曲、例えば『but not for me』や『it could happen to you』では、弾む彼女の歌が聴けます。
スローではそんなに熱唱に持ち込まないような雰囲気も漂いますが、気が付けば熱唱しているワーデルさんがいます。『young and foolish』や『memories of you』などが、そんな曲です。
これで可愛い顔がジャケにいるなら申し分ないのですが、それは贅沢というものでしょうか。愛聴盤になるであろう作品ですし、是非ワーデルさんの他の作品も狙ってみます。