ニーナのレコーディング暦の中で、1970年代中期から1980年代後半までは、メジャー・レーベルへの吹込みが無かったのです。しかしながら、NYの大きな舞台でこの時期も歌っていたので、その辺りの関係は如何なものなのですかね。
さて今日取上げる作品は、その名の通りに、ストリングスを入れてのレコーディングです。金の掛かったレコーディングですので、1966年頃のニーナの人気具合が伺えますね。
ニーナのベツレヘムに吹き込み、ヒットした『アイ・ラヴズ・ユー・ポーギー』を、ストリングス入りで歌っております。落ち着いた、しかし気持ちの入った歌い方は、お見事。1曲目のこれで、この作品を買った価値はありました。
しかし、一番のお気に入りは、『チェイン・ギャング(ワーク・ソング)』であります。この曲は、1961年録音の『フォービドゥン・フルーツ』でも取上げております。お馴染みのこの曲を、切れ味抜群で歌うニーナには脱帽です。また、この曲にはストリングスが入っておりません。無しの方が良いと感じるのですが、折角の企画なのだから、ストリングスを入れて欲しかったですね。
なお、ワーク・ソングとは過酷な労働を強いられる労働者の労働歌のことで、全員で力を出しながら歌うもののことです。一方チェイン・ギャング・ソングは同じ労働歌なのですが、囚人が労働をする際に歌うもののこと。この意味合いを、ニーナは込めたのでしょうね。