前作「Secret Love」でジャズに戻ったクレアさんの新譜であります。映画音楽等の活躍で有名らしいRichard Rodney Bennettと一緒に吹き込んだ作品です。この人が弾くピアノを共にして、クレアさんが歌うという趣向。これだけであったならば、興味あるものですが、半分ほどの曲ではクレアさんが歌わずにこの男が歌っているとのクレジット。聴く前の気持ちとしては、余計なことをこの野郎しやがって、とのものです。
弾むピアノに導かれて登場するクレアさんが歌う1曲目は、『my one and only』です。大人の苦悩を隠しながら笑顔で歌うかのような、小気味良い歌い方です。これが続くならば良い作品。例えば『when lights are low』では、悩ましく枯れた味わいのクレアさんの歌声を味わい始めたかと思ったら、おっさんの歌が入ってくる。ましてや、クレアさんが歌わない曲などは、存在価値なし。
Richard Rodney Bennettのことを悪く書いていますが、この人の歌は暖かく優しいもの。これを好きだという人もいて当然の世の中。しかしクレア目当てで買った人間にとっては、上記の感想になってしまう。
曲を選んで再生するCDの機能を活かしてこの作品を聴けば、全6曲20分の素敵なミニ・アルバムに生まれ変わります。