このコーナーで取り上げるメルドーは、これで８作目となります。毎度の不動メンバーで吹き込んだトリオ作品であります。何でも、この録音に際して、スタンダードとオリジナル曲をそれぞれＣＤ１枚分吹き込み、スンタンダード編が最初に発売されたとのこと。前作「largo」でのメロディを大切にするメルドーが聴けるか、それ以前の入魂アドリブのメルドーが聴けるのか、非常に楽しみな作品であります。
泣き節満載の「tres palabras」を、下品にならずに、かと言って曲の魅力を失わせずに、ギリギリの線で演奏するメルドーの力量に感心。また「get happy」でのトリオの充実度、とくに空間の作り方に感心。「smile」を、頭でっかちにならずに、いろんな解釈を加えているのに感心。
そんな風に感心した１枚ですが、愛聴盤になるかは、まだ何とも言えません。聴き込む事による聴く側の変化を、大きく予感させる１枚です。