2004年5月1日掲載
Jeff Gardner         Abracos
Terramar原盤      2002年6月録音

 ピアニストのジェフ・ガードナーを取り上げるのは3作目ですが、1988年録音のトリオ作「continuum」でのさり気ない美しさは気に入った。しかし、2000年録音のフュージョン作「street angels」にはがっかり。

 今回の作品を考えた場合、ピアノ・トリオという意味では期待できそう。しかし、レーベルが「street angels」と同じで且つ録音日が近いことを考えると、再びがっかりなのか。さてさて。

20040501

 我がアイドルのキース・リチャーズは、ステージ上で鉢巻というかバンダナというか、兎に角、頭に何か巻いている。2002年からの世界ツァーでもそうだし、その前のツァーも同様だった。まぁ、似合っていたし気にも留めなかったのだが、2002-2003年のストーンズツァーを記録したDVD4枚組のインタビューを見て、その理由を発見。額が後退していたのよね。

 本題に戻すが、このジャケットのガードナーも、鉢巻というかバンダナ姿である。これも恐らくは、額の後退によるものであろうか。しかし、キースと違い似合っていない。センスが感じられない。

 でも、演奏は良くなっているのだ。ガードナーがブラジル生まれかはしらないが、クレジットにはやたらブラジルと記録されている。そしてユニオン情報によれば、ベースとドラムはブラジル人とのこと。その辺りの香りが、直接的にボサノバっているわけではないが、そのエッセンスが前面に加わっている。

 つまり、「continuum」におけるさり気ない美しさにボサ・エッセンスが加わっている感じなのだ。これで、悪いはずがない。力まず素敵なピアノ・トリオの世界を繰り広げている。「street angels」何てボロ作品は、所詮一時の気の迷いだったのだ。

 ガードナーは、恐らく更なる変化を成し遂げていくのではないかな。その過程においては、額の後退も進むであろう。鉢巻というかバンダナでは、済まなくなるかも知れない。

 ガードナーが帽子をかぶったジャケ姿で登場したときは、名盤誕生となるのではないかな。